課題3 理想のOPACについて

懸賞 2009年 01月 18日 懸賞

理想のOPACを考えるにあたり、もう一度問題点を書き出し結論へと結び付けていきたいと思う。
 実は図書館に勤務して5年になるが、私はあまり館内OPACを使ったことがない。おそらく、私のようなスタッフも多いのではないか。勤務中にできないので、家でもっぱらWebOPACを使い検索しては予約を入れ、図書館では”借りて返すだけ”である。理由の一つはとにかく使いづらいから。

 1)公共図書館設置OPACの現状と問題点

 ① タッチパネルの反応が悪く、思うように入力できず、時間がかかる。キーボードを使える館と  全く置いていない館がある。
 ② タイトルを全部入れるとどこかがちがうだけで、全く出ない。
   タイトルや著者が曖昧だと、検索に非常に時間がかかり、ひどい時は検索中のまま使えなくなる。
 ③ 探したい本の書架案内図が出ないものがあるので、図書館員か館内地図で確認が必要。
 ④ いすが置いていない館があるので、検索が疲れる。
 ⑤ プリントアウトできない館があるので、メモして、図書館員に再検索して探す手間がある。
 ⑥ 図書館に無い資料は探せない。
 ⑦ 何かについて調べたい時キーワードで探せない。
 ⑧ 自分が前に読んだ本が探せない。
 ⑨ 予約する時ログインして長いカードIDや暗証番号ををいちいち入れなくてはならず面倒。

  以上をふまえ、

 2)理想のOPACとは

  館内用所蔵検索OPACとWeb多機能OPACを明白に区別して考えます。

 1)館内用所蔵検索OPAC ~ 私が考える理想のOPACは館内用はあくまでシンプルで、システムが重くなくアクセス時間が短いこと

 ① 利用カードリーダーの導入
   カードを置き暗証番号入力を一度するだけで、検索した資料を次々予約できる
   自動貸出機のように使えると便利である

 ② 検索画面の窓は一つでいい
   (私論:理想のOPACを求めて 岡本真 -現代の図書館 Vol.45 No.3 に書かれている
   ユーザビリティに賛成)

 ③ 未所蔵本と近隣図書館所蔵表示   自治体をまたいで図書館を利用している人も多いので、取り寄せるばかりでなく、自分で行ける。
   (杉並区立図書館に所蔵館表示をつけ一工夫したもの)

 ④ J-Wardのような、もしかして○○では?と返す機能
   うろ覚えの人の検索結果の見つけやすさの向上

 ⑤ キーワードで探せる機能
   こどもが宿題をやる時に便利なようにする。夏休みの子供のレファレンスはとにかく多い。
   子供達が自分で調べ学習ができる環境をある程度用意しなくてはいけない。

 ⑥ その他
   書架図表示、プリンターやいすの設置、タッチパネルとキーボードの使いやすさ



2) Web多機能OPAC ~ 選択ボタンによる自由設計で、有料によりサービスをとことん追求することができる

 ① 資料入手手段の流れをスムーズにする
   すぐ借りれる本→予約して待つ本→自分で購入する本(未所蔵本の予約からネット購入まで)
  どこに所蔵していて、予約件数と所蔵件数がわかり、さらに購入する人のために、書店や
  ネット購入画面にスムーズに進める。

 ② 検索した資料の関連図書の表示(選択ボタン)
   Webcat plusなどの導入により、検索ワードから関連本を導き出していく。
   関連ワードを表示してどこへでも検索が広がるようにする。
   想のように、本棚のイメージを表示する。

 ③ 検索した資料の書影、書評、コメント(選択ボタン)   amazonなどを利用して、それらが見れるとイメージがつかみやすく、期待がふくらむ。
  また利用者参加可能でコメントの書き込みができることが大切。

   ただし、mifyさんの記事でふれているように本人の許可制によるWeb掲載と図書館員などの人を介した判断によるWeb上のupが必須だと考えます。
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1139425/27167035
   
 
 ④ 自分の貸出履歴や検索履歴が残せる(Web上に自分の本棚を作る)  ココロティさんが紹介した実践女子大学のMy Library機能が参考になる。
  http://kokosizue.blog65.fc2.com/blog-entry-13.html#tb

  また、みえこさんが書かれていたようにMy OPACを作れる
  http://miponblog.blog54.fc2.com/blog-entry-17.html#trackback  

  私も同じように考えます。基本形がまずあってそれを自分用に変化させ自分が使いやすい形 に整えていくことが理想的だと思います。

 ⑤ ④の自分の貸出履歴や検索履歴からお勧め本の紹介がわかる。(選択ボタン
  岡本さんの記事を読み練馬区の貸出記録を利用する試みがあれば、amazonと同等以上のリコメンド 機能が使えるし、とても有効だと考えます。
  http://www.jla.or.jp/jiyu/taikai2008kiroku.pdf
  
  また、この案の問題点に対する田辺浩介さんの解決策についても参考になります。
  http://kamata.lib.teu.ac.jp/~tanabe/diary/20080117.html

 ⑥ 欲しい情報の提供  ファインダビリティ(情報の見つけやすさ)を上げるためには、創価大学が使用しているメタサーチ のようにたくさんのデータベースや横断検索を一気に行うのが有効だと思うが、コスト面を考えると それだけではないのかもしれない。ユーザーを知り、最重要と思われるものを採用していくことが、大切 であると考える。
  ・頻度の高いもの(貸出回数、検索回数、予約数)を一番上に出す
  ・目次の表示(創価大学)
 ここまでは、yosegayoiさんと同じ意見です
 http://la-yosegayoi.blog.so-net.ne.jp/2009-01-17

  ・葛飾区立図書館がやったような’日本十進分類法(NDL)による資料検索ページ’も有効。http://www.lib.city.katsushika.tokyo.jp/bunrui.html

  使い馴れれば図書館司書と同じような検索が可能になるからです。

  ・地域性のあるものの提供も頻度が高いので必要
  Tajimayanさんの’特色のあるコレクション’の意見に賛成です。
  http://blogs.yahoo.co.jp/tajimayan812/7856054.html

  ・RSS機能によるお知らせ機能も便利
  新しい本や雑誌の到着情報、受け入れ情報を入手できる
  東京経済大学図書館 http://www.tku.ac.jp/~library/のように登録した図書到着メールが届く。

  
 ⑦ 実用性の追求
  Tamoさんの記事を読み、今働いている公共図書館では要求されていない部分ではあるけれど、これからビジネス支援を 行って行く上で必要となってくる課題が明白になった。所蔵資料からの検索だけではもはや意味をなさないので、 あらゆる情報源(雑誌、AV資料、パンフレット、ニュース、新聞記事、Webページ、ブログ、ナレッジ、など)から所蔵元 と抄録の表示を行い、それが取り出せること。 
 http://blogs.yahoo.co.jp/tamo_y/7973928.html

  
 以上、理想のOPACを館内用とWeb多機能OPACの二つに分け考察したが、公共図書館としてはコスト面が非常に気になるところである。公共図書館としては、誰もが利用しやすいように無料サービスを追求すべきであるからだ。
それを解決するには、’ローコストでできるファインダビリティ向上’ 前田朗 情報の科学と技術Vol.58(2008)など考察がすすんでいるようである。
 日進市立図書館が採用したようなamazonのアフィリエイト導入による収入もいいアイデアである。
 それと同時に’未来をつくる図書館’ 菅谷 明子/著 岩波新書 新赤版 のニューヨークシティライブラリィについても参考になる。ビジネス館が独立しており、ビジネス支援は完璧でそれにより成功をおさめた人たちによる寄付が莫大だとのこと。
 これからの 多様化するニーズに応えていくには、コストがかかるということを恐れてはいけないし、公共図書館が一部業務委託から 指定管理になっていく時代の波に合わせて、利用者が納得できる有料サービスの充実化が次世代OPACを可能にするカギになると思う。

 とは言え、有料サービスを使うのは緊急事態であって、多くの公共図書館利用者の希望はあくまで無料サービスの提供である。
 ’おとなの図書館利用術(東京編)’
 http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0706/22/news132.html
 http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0706/27/news005.html

 にあるように、amazonで検索して、ほしいと思った資料を近くの図書館に借りに行けば一番賢いのである。
 
 私たち図書館員は利用者の立場に立ち、これからも使いやすい理想のOPACを追求していかなければならないと思う。

                                      以上。   
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by charu_s | 2009-01-18 11:34 | Web2.0

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